BE・ME 2014年10月

BE・ME

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最後の銭湯絵師-三十年の足跡を追う-

銭湯といえば思い出す富士山のペンキ絵は、静岡県出身の画家が故郷を思い起こしながら描いたのが始まりだそうです。現在、このペンキ絵を専門に活躍している絵師はわずか2人。この2人を追い続けた記録と、30余年にわたって著者が手弁当で撮影してきた銭湯のペンキ絵を紹介します。

ペンキ絵や銭湯の由来・歴史など、馴染みのない知識に触れられるのも楽しいのですが、何よりも著者の情熱に圧倒されます。

きっぷのルールハンドブック

複雑といわれるJRのきっぷのルールを、その基本となる法規に始まり、お得な利用方法から天災などに遭った時の対応まで、初心者にもわかりやすく解説した本です。旅先の楽しみと旅のヒントも掲載。鉄道旅行へ踏み出すためのガイドブックとしても最適です。

首都水没

東京は「自然災害リスクの高い都市ランキング」世界第1位だそうです。雨が降らなくても大洪水に襲われるリスクがあるゼロメートル地帯、安全と思われている高台にも水害の危険性があるなか、洪水への備えは充分とは言えず、その危機が迫っています。東京はなぜこのような世界一危険な場所にあるのか。「首都東京」の成り立ちから明らかにしていきます。

また、東京の三大水害について、新たな語り部の声が掲載されています。日本は災害と共に生きてきた国であり、災害と共生して来たこれら先人の知恵を生かしつつ、災害文化を発展させ醸成させていくことが強靭な国土を造ると著者は訴えます。

外国人だけが知っている美しい日本-スイス人の私が愛する人と街と自然-

外国人向け日本観光サイト「ジャパンガイド」を運営する群馬県在住のスイス人による著書。異邦人の立場で日本人を紹介した本は多いけれど、「観光のプロ」という視点が魅力的です。外国人に人気の写真が撮れるスポット、意外に人気なテーマパーク、そんなところが!?と驚かされます。

東日本大震災についても触れられていて、読みごたえがあります。震災後、欧米で最もポピュラーなガイドブックの日本編には、東北三県に関する情報がまったくなくなりました。そんな状況で著者は日本からの情報発信を試みます。被災地へ入り、被害の爪痕も含めて「東北はどうなっているのか」を現在も伝え続けているのです。