ボイスキュー2015年12月

ボイスキュー

ボイスキュー2015年12月

たべものを学問する本をご紹介します。

東京パフェ学-パフェ123本を食べて考えた-

「パフェ」について真剣に考えたことはありますか?

こちらの本は、東京近郊のパフェのガイド本であり、また「パフェ」というものを真面目に考えるための一冊です。日本に何人も存在しないであろうパフェ評論家である著者が、さまざまなパフェを紹介しながら、それらに込められた思想や、パフェの概念・歴史に迫ります。

とはいえ、ブルーが綺麗にあしらわれた可愛らしい装丁で、理屈ぬきに楽しめます。

京菓子と琳派-食べるアートの世界-

手のひらから生み出される知の造形、京菓子。琳派をテーマに制作された京菓子を紹介しながら、日本文化の奥深さを伝えます。私たちの持つ文化を探求する入口として「食べる」という馴染みのある行為はもってこいです。京菓子を知るための基礎知識も収録。

柑橘類と文明-マフィアを生んだシチリアレモンから、ノーベル賞をとった壊血病薬まで-

こちらは309頁と、読みこなすのに多少の根気がいるかもしれません。

けれど、伊豆地方でも栽培可能なレモンなどの柑橘類が、マフィアやノーベル賞と密接な関係があると知ったら、どうでしょうか?

ヨーロッパ文化に豊かな残響を届け続ける柑橘類の文明史が香り高く描かれます。

年末年始、こたつにみかんを携えながら、想像の翼を広げてみてはいかがでしょうか。