図書館員の気になる一冊 2016年9月

図書館員の気になる一冊

図書館員の気になる一冊 2016年9月

医療情報

公共図書館が、医療についての情報を提供することもすっかり当たり前の時代になりました。退院後の生活や、家族に病人が出たときの参考にご活用ください。ただし、図書館に出来ることは情報の提供のみなのでご注意ください。

退院支援ガイドブック-「これまでの暮らし」「そしてこれから」をみすえてかかわる-

長期入院が珍しくなってきた現在、病気の治療は退院後も継続すると考えてよいでしょう。こちらの本は、看護師や医療ソーシャルワーカーに向けて書かれた「東京都退院支援マニュアル」の「退院支援・退院調整フロー図」に沿った退院支援ガイドです。退院支援の実際について、歴史的・制度的背景や困難事例への考え方や解決策なども掲載されており、現場で働く方々はもちろん、患者を支える家族にとっても参考になる1冊です。

働く女性のためのがん入院・治療生活便利帳-40代、働き盛りでがんになった私が言えること-

働き盛りの女性が「がん」になったら…。

女性も当たり前のように働くようになった現代では、病気に対する必要な備えも、日々変化を遂げています。こちらの本には、働き盛りの女性が「がん」の告知を受けた後にすべき手続きから、仕事復帰につながる知恵までわかりやすく書かれています。二度のがんを経験した著者が贈る、女性目線のヒント集です。

認知症の人の医療選択と意思決定支援-本人の希望をかなえる「医療同意」を考える-

患者自身が、治療方針について希望をかなえられる時代になりました。しかし、それが認知症患者の場合はどうでしょうか。

こちらの本には、医療者、介護福祉関係者、法律の実務家、法学者による「医療同意プロジェクト」の成果がまとめられています。すぐに使える「啓発リーフレット」「医療同意能力評価記録用紙」なども掲載されており、とても役に立つ一冊です。

ホスピタルギャラリー

病院の待合室で不安な気持ちでいる人に、デザインは何ができるだろう?

徳島大学病院医学部と武蔵野美術大学造形学部の「共同研究」というかたちで生まれたホスピタルギャラリー「be」の記録です。「b(美)」と「e(医)」の融合を目指し、毎年、武蔵野美術大学の学生による展覧会も開催されているそうです。