図書館員の気になる一冊 2016年8月

図書館員の気になる一冊

図書館員の気になる一冊 2016年8月

震災

地震の多い日本では、いつ何があっても不思議ではありません。

過去の事例を無駄にしないためにも、今出来ること、備えておかなければならないことは何でしょうか。

自然災害から人命を守るための防災教育マニュアル

東日本大震災では、平時の学校教育の成果でたくさんの子どもたちが助かりました。災害現場での判断力を養うために、実際に使われている初心者向け総合的学習テキストです。地震災害・津波災害・土砂災害・火山災害・風災害・水害について、イメージ教育、模擬演習、知識理解、思考判断の4段階で解説します。避難時マニュアルも収録。

被災写真救済の手引き-津波・洪水などで水損した写真への対応マニュアル-

東日本大震災で被災した美術館等の、主に写真資料の補修・保存・デジタル化を目的に活動してきたRD3プロジェクト。その被災写真の安定化・デジタル化処理の手法を概説し、災害への備えや、講演会などの活動を紹介します。

残された方たちにとって、そして、記憶を引き継ぐ義務のある者にとって、震災前の写真はいろいろな意味を持つようです。

失敗百選 続々-「違和感」を拾えば重大事故は防げる 原発事故と"まさか"の失敗学-

人は必ず失敗します。しかし、同じ愚を繰り返さないように努力や工夫を重ねることもまた出来るのです。この考え方を個人のレベルに留めず、社会全体に浸透させようとしたのが「失敗学」です。

多くの事例から、失敗のメカニズムを分析してきた『失敗百選』の第三巻は、福島原発事故を工学的な視点で取り上げています。事故の背景に何があったのかを明らかにするとともに、「発生確率がきわめて低いが被害が甚大な事故」を未然に防ぐ方法を考察します。

世界ダークツーリズム

ダークツーリズムは、日本では「負の世界遺産」と表現されることも多く、戦跡や被災地など、人類の悲惨な記憶を辿る旅のことです。一般的な観光は娯楽を目的としていますが、ダークツーリズムは貴重な学びの場を提供します。

アウシュビッツ、サラエボ、グラウンド・ゼロ、福島…。大量虐殺、戦争、紛争、テロ、災害など20世紀以降に悲劇の舞台となった地を実際に訪れた執筆者たちが、現在の姿を伝えます。